糸状菌の力で土を団粒化する“菌ちゃん農法”。枝や切り株の埋め方から3か月待ちの理由、連作の目安まで——わが家のポイントを写真とともにやさしく解説します。
菌ちゃん農法とは? わが家の手順と注意点【実践メモ】
「菌ちゃん農法」は、剪定枝や切り株、落ち葉などの有機物を畝に埋設して糸状菌(きのこ由来の菌糸)を増やし、土を団粒構造に近づける栽培方法です。わが家で実践している最小限の手順と、のちの手入れのコツをまとめます。
わが家の要点(まずここだけ)
- 材料:剪定枝・切り株・落ち葉を10〜30cm程度にカット
- 埋設位置:畝の両側に埋め、中央に作物を植える
- 手順:埋設 → 潅水 → 黒マルチで被覆 → 約3か月待機
- 効果の狙い:糸状菌が有機物を分解し、団粒化で根張り・通気性・保水性のバランス向上
- 連作の目安:適切に維持すれば、同じ畝を3〜5年ほど使い続けやすい
準備するもの
- 剪定枝・切り株・落ち葉(病害の疑いがないもの)
- 刃物(ノコギリ・剪定バサミ)、スコップ、熊手
- 黒マルチ(被覆用)、ジョウロやホース(十分な潅水)
手順(写真付きの記事へもリンク)
- 材料を刻む:10〜30cmほどに。太い材は割って体積を抑える。
- 埋設溝を作る:畝の両側に深さ20〜30cm目安の溝。
- 材料を投入:溝に入れ、土を軽く戻す(詰め込み過ぎない)。
- たっぷり潅水:分解のスターターとして水分を十分に。
- 黒マルチで被覆:地温・湿度を保ち、約3か月待つ。
- 作付け:中央に作物を定植/播種。以降は通常管理。
運用のコツ
- 入れすぎ注意:有機物の厚みが大きすぎると嫌気化の恐れ。土とのバランスを取る。
- 水分管理:初期はしっかり潅水。極端な乾燥は分解停滞の原因。
- 補充タイミング:年1回程度、収穫サイクルの合間に少量ずつ追加すると保ちやすい。
- 連作の目安:管理が適切なら3〜5年。生育の落ちを感じたら小規模に再充填。
注意点
- 病害の疑いがある枝・木は埋めない(持ち込みリスク回避)。
- 肉・乳製品・生ゴミなどは害獣・害虫の原因になるため埋めない。
- 既存樹木の太根を傷めない位置で作業する。
よくある質問(Q&A)
Q1. 待機期間は必ず3か月?
A. 目安です。気温・湿度・材料の太さで変動。糸状菌の白い広がりや土の団粒化の進み具合を見ながら判断します。
Q2. どの野菜でも相性は良い?
A. 多くの作物で「根張りの良さ」を実感しやすいですが、過湿に弱い作物は初期の水分過多に注意します。
Q3. 材料は細かいほど良い?
A. 細かすぎると詰まりやすいので、10〜30cm程度の「通気が保てるサイズ感」を推奨します。
本ページは、わが家の実践記録をもとにしたメモです。地域の環境や土質に合わせ、無理のない範囲で調整してください。